2012.11.01

【MLB】ワールドシリーズ3連覇。ナ・リーグが強くなった要因とは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

デトロイト・タイガースを4連勝で下し、喜び合うサンフランシスコ・ジャイアンツの選手たち 今年のワールドシリーズは、サンフランシスコ・ジャイアンツがデトロイト・タイガースを下し、2年ぶり7度目のワールドチャンピオンに輝きました。これで、2010年=ジャイアンツ、2011年=セントルイス・カージナルス、そして2012年ふたたびジャイアンツと、3年連続でナ・リーグのチームがメジャーの頂点に立ったことになります。ナ・リーグのワールドシリーズ3連覇は、1979年から1982年まで4年連続で世界一となって以来、実に30年ぶりの出来事。本格的に『ナ・リーグの時代』が到来したと言ってもいいのではないでしょうか。

 1980年代後半から2000年代前半にかけてのメジャーリーグは、まさに『ア・リーグの時代』でした。1983年から2005年までを振り返ると、22回対戦して、ア・リーグのチームが15回、世界一になっています(1994年はストライキでワールドシリーズ中止)。それではなぜ近年になって、ア・リーグの時代からナ・リーグの時代になったのでしょう。それはやはり、『ステロイド時代』が終焉したからに他なりません。

 ニューヨーク・ヤンキースを筆頭に、昔からア・リーグには強打のチームが多く揃っています。また、1973年の指名打者(DH)制度の導入で、その流れはさらに加速しました。そしてステロイドが蔓延するようになると、メジャーリーグはホームラン全盛時代に突入。その結果、伝統あるナ・リーグの『スピード野球』は影を潜め、ア・リーグの『パワー野球』が時代を席巻するようになったのです。

 しかし2003年、メジャーリーグ機構と選手会がドーピング検査の導入を決定。さらに2005年には検査方法と罰則を厳格化し、2006年からは罰則をさらに厳しくしました。この決断により『パワー野球』は勢いを失い、メジャー全体の打撃成績も低下していったのです。