検索

【高校野球】大阪桐蔭のエース・川本晴大はなぜ攻略されたのか? 明石商が仕掛けた「内角封じ」と14四死球の真相 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Shiro Tanigami

【川本に突きつけられた宿題】

 こうした明石商の攻めについて、川本は「予想していました」と話した。ただ、こうもつけ加えた。

「思ったよりも極端にやってきた感じでした」

 思い返せば、今年春の選抜の頃から、こうした攻めに対する川本の課題は見え隠れしていた。しかし、明石商ほど徹底して攻めてくるチームはなく、川本の圧倒的な能力の前に、その弱点が大きく表面化することはなかった。

 その課題が、秋季近畿大会準々決勝で明石商と対戦したことによって、一気に浮き彫りになった。大阪桐蔭にとっては極めて痛い敗戦であり、川本にとっても高い授業料を払った一戦だった。

 ただ、のちに振り返った時、「あの試合があったからこそ」と思える一戦になっていくのではないか。敗戦後、冬に向けた課題を問われた川本は、こう答えた。

「やることはわかっているので」

 フォームを固めること。フィールディングのレベルアップ。制球力と変化球の精度向上。さらなるストレートの質の追求。気持ちのコントロール。そして、試合ごとの投球内容のばらつきをなくすこと。やるべきことは山積みだ。

 今後、川本と対戦するチームにとって、明石商の攻め方は格好の材料になるだろう。春を迎えた時、明石商の攻めを手本に向かってくる相手に、どんな投球を見せるのか。

 再び繰り広げられるであろう内角をめぐる攻防に目を向けながら、川本晴大という投手の成長を、しっかりと見届けたい。

著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

フォトギャラリーを見る

4 / 4

登録は簡単! チェックを入れてボタンを押すだけ 詳しくはこちら

キーワード

このページのトップに戻る