【独立リーグ】「まるで若き日の坂本勇人」 一度は野球をあきらめた独立リーガーがドラフトに懸ける最後の勝負 (2ページ目)
【大学中退で一度は野球を断念】
コアなアマチュア野球ファンであれば、根本の存在を知っているかもしれない。
学法石川(福島)ではプロ志望届を提出したものの、指名漏れ。帝京大に進学すると、1年春から右翼のレギュラーとして活躍。いきなり首都大学リーグのベストナインに選ばれ、大学選手権にも出場している。
帝京大の同期には履正社(大阪)の主砲として甲子園で活躍し、侍ジャパンU−18代表の4番も務めた森田大翔がいた。だが、根本は森田に対して劣等感を抱くこともなかったという。
「甲子園でホームランを打っていた選手ですけど、『負けてないな』という感じだったので。自分も全然いけるじゃんと思ってしまって」
守備位置は異なるとはいえ、鳴り物入りで入学した森田が本来の調子を出せずにいるなか、根本は先発出場を勝ち取っている。それなのに、根本は同年の夏に大学を中退している。
「8月頃に家庭の事情で中退しました。野球をやるにもお金がかかるので、親の負担が軽減できるようにと思って」
大学中退後は、コンビニでのアルバイトを始めた。新年度には就職することを視野に入れ、自動車免許の取得にも取り組んだ。もう野球はやめるつもりだった。
だが、多くの関係者は根本の才能を惜しんだ。根本は「もったいない」「野球をやめるな」といった声に、心を揺さぶられた。
「中学の時の先生とか、大学の監督さんとか、いろんな人に声をかけてもらって。一番大きかったのは、親から『やってみたらいいんじゃない』と言ってもらえたこと。じゃあ、もう1回、違うステージでやってみようかなと」
2025年3月、かねてより帝京大と縁のあった富山GRNサンダーバーズに根本は入団する。同年秋、筆者がシャピロマシュー一郎(現・オリックス)の取材で富山に行った際、永森大士総合コーチ(現監督)は「来年は根本が化けてくれると思います」と期待を寄せていた。
入団2年目の今季を、根本は「勝負の年」と位置づけている。
シーズンオフに根本が母校の学法石川で打撃練習をしていると、佐々木順一朗監督からこんな言葉をかけられたという。
「今年は躍動すると思うよ」
尊敬する恩師からの言葉は、根本に大きな自信をもたらしたという。
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