【高校野球】「どうしたらええんや...」 甲子園初采配で追い詰められた大阪桐蔭・西谷浩一を救った"スーパー1年生" (2ページ目)
その後、大阪桐蔭は準決勝で履正社を11対3、決勝では大商大堺を15対3と圧倒。ついに西谷は、監督として初めて甲子園への切符をつかんだ。
なかでも中田はおもに5番を打ち、大阪大会7試合で打率.458、2本塁打、チームトップの13打点。投げても14回2/3で17三振を奪うなど、投打でチームを牽引した。
【西谷を襲った甲子園初采配の重圧】
そして大きな注目を集めて迎えた甲子園初戦の春日部共栄との一戦。待っていたのは、思いもよらない展開だった。
先発・辻内の制球が定まらない。ストライクを取りにいったところを弾き返され、2回に3失点。3回にも1点、5回にも2点を追加され、降板した。試合後、辻内は「心臓がバクバクして......」「どう投げているのかもわからなかった」と振り返った。初回、スコアボードに「152キロ」と表示され、スタンドがどよめいた。その雰囲気にも「パニックになった」とも言った。
マウンド上では何度も頬を膨らませ、大きく息を吸っては吐いた。まさに青息吐息だった。
エースの乱調に、攻撃もかみ合わない。5回表の春日部共栄の攻撃を終えたところで3対6。苦しい展開のなか、ベンチの西谷にも「甲子園初采配」の重圧がのしかかっていた。
「何をやってもうまくいかないなかで試合が進んで、気づいたら折り返しの5回。『どうしたらええんや。選手になんて声をかけたらええんや......』と。これだけみんなで頑張って、やっとつかんだ甲子園が初戦で終わるんか......。焦りしかなかったです」
そんなエースと指揮官の窮地を救ったのが、中田だった。5回表、3点差とされ、なおも満塁のピンチ。辻内を救援すると、1年生とは思えないボールと堂々たる投げっぷりで後続を断った。
「球場の雰囲気が変わった」
西谷はそう振り返る。
そして5回裏、甲子園に快音が響いた。
「先頭の謝敷(正吾)が右中間に強烈な当たりの二塁打を打ったんです。あれでハッと目が覚めたというか、『監督がこんな弱気じゃアカン』と気持ちが入り直したんです」
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