【高校野球】プロ野球か、それとも寿司職人か...三重・昴学園の145キロ右腕・石川大介が迷いながらも高卒プロを志望する理由 (2ページ目)
【昨年夏に優勝候補の三重を完封】
中学野球引退後に運動量が減ったため、体重が88キロと大幅に増えた状態で入寮。体のキレを失い、当時の最高球速は118キロだった。しかし、昴学園での生活で一気に67キロまで減量。そして、2年以降に石川は急成長を遂げる。
「池田先生(泰一朗コーチ)が津西から異動してきて、トレーニングや考え方について教わったんです。もともとコントロールはよかったんですけど、池田先生に教わってからストレートが速くなって、変化球のキレも増しました」
2年夏の三重大会では、東海大会王者の三重高と初戦で対戦。先発した石川は、優勝候補筆頭の名門を相手に5安打完封の番狂わせを演じる。それ以来、石川は県内の注目選手の仲間入りを果たした。
ただし、高卒でのプロ入りとなると、越えなければならないハードルも多い。一番の障壁は「出力」になるだろう。東拓司監督は言う。
「指先の感覚は持っている選手なので、変化球はいいし、コントロールもいいです。あとはスピードがもう少し出たら、もっと評価も高まると思うんやけど」
昨秋の最高球速は141キロ。身長178センチ、体重80キロとビルドアップした今春には、145キロをマークした。それでもプロ注目選手としては物足りない数字である。もっとも、石川のストレートはスピード表示以上の「強さ」を感じさせる。石川は対戦する打者や受ける捕手から「ボールが重い」とよく言われるそうだ。
さらに、変化球の精度にも自信がある。本人は「縦と横のスライダー」と表現するが、「縦のスライダー」は120キロ近い球速で鋭く落ち、パワーカーブのような軌道を見せる。「横のスライダー」はストレートの軌道から小さく横滑りし、カットボールに近い球筋。いずれにしても、高校生では攻略困難な球種を持っている。
また、プロ側のスカウティングも近年は変容しつつある。かつては粗削りでも球速の速い投手が珍重されていたが、今では「球速はトレーニングで後天的に伸ばせる」という考え方が浸透。むしろ「コントロールはあとから身につかない」と持論を語るスカウトもいる。その意味では、石川は時勢に合った人材と言えるかもしれない。
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