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サラリーマンとクラブづくりの二刀流で挑む野球への恩返し 鈴木兄弟が生んだグラブブランド『YK BROTHERS』の現在地 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

最近は講演会などにも呼ばれる機会が増えるなど、活動の幅を広げている鈴木兄弟 写真は本人提供最近は講演会などにも呼ばれる機会が増えるなど、活動の幅を広げている鈴木兄弟 写真は本人提供この記事に関連する写真を見る その際にオリジナルの野球ノートと保証書も一緒にお渡ししています。『1年間は無料で修理するので、何か不具合があればすぐに連絡してください』といった形で、しっかりとコミュニケーションを取ることを心がけています」(裕司さん)

【未来へと続く鈴木兄弟の挑戦】

 ブランド価値の向上は、異業種とのタッグを生んだ。今年9月。同じ姫路のタンナーで製革していることが縁となり、革靴ブランド「スコッチグレイン」とコラボレーションイベントを実施した。グラブと革靴。ジャンルは違えど、「最高品質を追求する」という共通の哲学が両者を結びつけたのだ。都内で行なわれたイベントは盛況を博し、「YK BROTHERS」のブースにも多くの人が訪れた。

「まったく野球を知らなかった方にも触っていただき、『これいいね』という言葉をかけていただきました。お客さまと直接いろいろお話ができたのは、ブランドを知ってくださるきっかけとしてすごくよかったなと思っています」(裕司さん)

 最近では文武両道を貫いてきた経験から、経営者や学生・保護者に向けた講演会などにも呼ばれる機会が増えるなど、活動の幅を広げている。学生時代、そしてビジネスの最前線で磨いた「考える力」は、多くの人の心を打つ。さらなるブランド力強化へ、歩みを止めることはない。

「最初に健介と決めた『野球人のイメージを変える』というミッションを達成するにはどうしたらいいのかをいつも考えています。その結果としてグラブ事業がどんどん大きくなっていったらうれしいですね」(裕司さん)

「いつか自分の子どもに引き継げるようなブランドにしたいというのは兄と常々話しています。始めた以上は、愛用してくださる方を大切に、責任を持って続けていくのが僕たちの使命です。お客さまと真摯に向き合い、長く愛されるブランドになれればいいなと思っています」(健介さん)

 グラブづくりから始まった挑戦が未来の野球界にどのような変革をもたらすのか。鈴木兄弟の「野球への恩返し」の旅路は、まだ始まったばかりだ。

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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