【高校野球】侍ジャパンのコーチ、甲子園優勝監督がリーガ・サマーキャンプに参加した球児に語った「正解のない学び」 (4ページ目)
「野球でいくら稼いだとか、200勝したからすごいというのはあるかもしれないけど、それ以上に大事なのは人間性だと思います。それを養うにはいかに引き出しを持っているか。リーガ・サマーキャンプで僕自身も引き出しを増やすことができたし、選手たちにも引き出しを渡すことができたと思います。それを開ける、開けないは本人次第。これからの人生で、『北海道で吉見という人が言っていたのは、こういうことだったんだ』とつながってくればいいなと感じた3日間でした」
高校野球のようにチームの勝利を求めて全員一丸となることで得られるものがある一方、リーガ・サマーキャンプのように個々がそれぞれの目的を持って参加し、即席チームを組んで得られる体験もある。吉見氏は北海道で高校最後の夏を過ごした球児たちを見ながら、満たされた気持ちになったという。
「知らない人と顔を合わせ、すぐに関係性ができていく。こういう環境で野球ができるのは幸せだなと思いました。ここで初めて出会った高校生たちがみんなで助け合い、鼓舞し合う。すごいなって見ていました。僕も高校1年の子どもがいるので、絶対に参加させたいと思います。今後の人生にすごく役立つだろうなと感じたので。値段が張るけど、それ以上の価値があると思いました」
リーガ・サマーキャンプはまだまだ知る人ぞ知る存在だが、回を重ねることで生まれるものもたくさんある。個人参加型のリーグ戦という、既存の高校野球と異なるフォーマットから、どんな価値を創出していけるのか。2026年夏、第3回の開催を楽しみにしたい。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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