検索

【高校野球】侍ジャパンのコーチ、甲子園優勝監督がリーガ・サマーキャンプに参加した球児に語った「正解のない学び」 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

「野球だけじゃなく、人生においても大事なのは、よかったところに対してフォーカスする。人って、振り返る時にはどうしてもネガティブなことばかり思い出してしまうじゃないですか。それも大事だけど、よかったところを探すこともすごく大事。他人のいいところを探すと、そういう見方になってきます」

 リーガ・サマーキャンプの特徴は、連日リーグ戦が行なわれることだ。そのなかで振り返りをしっかりすることが、より良い明日につながっていく。吉見コーチが続ける。

「試合って、毎日同じことの繰り返しです。そのなかで起こったことに対し、復習することが大事だと思います。それができる人は、自己分析できるということなので。しっかり振り返りができていた選手たちには、すごく有意義な時間だったと思います」

【知る人ぞ知る存在から広がる新たな可能性】

 既存の高校野球では各チームにレベルの近い選手が集まり、監督の定める方針の下、チームとしてひとつになって勝利を目指していく。

 一方、リーガ・サマーキャンプに集う選手たちのレベルは多岐に渡る。ドラフト候補に挙げられる濱岡蒼太(川和/神奈川)や、最速146キロでプロ志望届を提出予定の長谷川結斗(函館大学付属有斗/北海道)ら各地区で名を馳せる投手から、所属チームで控えだった投手、さらに出場機会に一度も恵まれなかった選手、高校野球を辞めてクラブチームに所属する選手もいた。

 加えて大学生のコーディネーターや、普段は高校野球の指導者を務めるスタッフ、女子学生のマネジャー、座学の講師には大学の准教授や日本ハムを招致した北海道北広島市の副市長、そして主催者で日本の高校野球にリーグ戦を広めようと活動する阪長友仁代表など、さまざまな立場の人たちがリーガ・サマーキャンプに集まった。

 吉見氏は普段と異なる人たちと接して新たな発見がたくさんあり、今後の人生につながる3日間になったと言う。

3 / 4

キーワード

このページのトップに戻る