あの長嶋茂雄も届かなかった東京六大学通算100安打の壁 偉業を目指すスター候補生たち (2ページ目)
それにデータ野球全盛の今、チームのキーマンになれば配球パターンは練りに練られ、打球傾向に沿って、守備シフトを敷かれることになる。他チームから研究されるうちに、自身のバッティングを見失う選手も少なくない。ドラフト候補として注目されていた選手が4年生になり、不振に陥るケースは多い。
また、東京六大学リーグの2戦先勝の勝ち点方式ならではの難しさもある。たとえばチームが強すぎて連勝ばかりだと、1シーズン10試合(10連勝)で終わってしまう可能性があるのだ。反対に弱すぎても10試合(10連敗)で終わることがある。
それよりも1勝1敗で3回戦(引き分けで4回戦の場合もある)にもつれ込んだほうが、自ずと試合数が多くなり、打席数も増える。
【ミスターも100安打には届かず】
昨年のドラフトで明治大からドラフト1位で楽天に入団した宗山塁は、4年秋のリーグ戦で100安打に到達したが、4年間で88試合しか出場していない。その理由は、2021年のリーグ戦がコロナ禍の影響により10試合勝ち点制(ポイント制)で行なわれたことと、2024年春のリーグ戦前に故障したためだ。それでも歴代7位の118安打を放つなど、驚異の数字を残した。もし故障がなければ、リーグ記録の131安打を塗り替えていた可能性がある。
宗山の前に100安打に到達した柳町達(慶応大→ソフトバンク)は、1年春からレギュラーとして活躍。4年間で102試合に出場して、111安打を放った(通算打率.291)。柳町の場合、1シーズン平均で12試合弱出て、14本以上のヒットを打った計算になる。
これを基準に現在、東京六大学でプレーする1、2年生の有望選手を挙げたい。
法政大/熊谷陸(2年)/14試合/56打数19安打(打率.339)
法政大/境亮陽(1年)/14試合/62打数22安打(打率.355)
明治大/田上夏衣(2年)/14試合/58打数16安打(打率.276)
立教大/小林隼翔(2年)/13試合/51打数13安打(打率.255)
立教大/村本勇海(2年)/13試合/52打数16安打(打率.308)
※成績は今年春のリーグ戦のもの
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