【高校野球】幸福の科学学園にプロ注目のドミニカ人バッテリー 投手エミール・プレンサの父は中日在籍時に10勝を挙げたあの投手 (2ページ目)
じつはドミニカ人留学生の橋渡しをしたのは、森特別コーチだった。中日のコーチ時代から外国人選手発掘のためドミニカ共和国へと渡り、独自の人脈とルートを築いてきた。そこで日本の高校野球を経験したい若者のなかから2人が選ばれ、幸福の科学学園へとやってきたのだ。
棚橋監督と後藤部長と雑談していると、ユニホームをまとったふたりの大男がグラウンドに足を踏み入れた。投手のエミール・プレンサ(3年)は身長190センチ、体重107キロ。捕手のユニオール・ヌニエス(3年)は身長185センチ、体重90キロの威容である。
エミールの父はドミンゴ・グスマン。2000年代に横浜(現・DeNA)、中日、楽天でプレーした元プロ野球投手である。中日に在籍した2004年には10勝を挙げ、リーグ優勝に貢献している。当時中日のコーチを務めていた森特別コーチとは、師弟関係にあった。
【低反発バットで場外弾】
日本に来た経緯を聞くと、エミールはこう答えた。
「おれはお父さんが日本のプロ野球選手だった。森さんと連絡してもらって、『あなたの子どもどうですか?』みたいに言われた。『日本語か英語わかりますか?』と聞かれて、『わからないです』と言った。『日本に行きたいですか?』と聞かれて、『はい、行きたいです』と言った」
日本語でのコミュニケーションも大きな支障はない。理解できない単語は翻訳アプリを使って対処するが、私のインタビュー中には1回しか翻訳アプリを起動しなかった。
「ドミニカにいた時から、わたし寿司大好きです。お父さん、日本の料理が好きで食べてました。カニ、サーモン、生で食べます。カップラーメンも、ペヤング(カップ焼きそば)も大好きです」
たどたどしくも、懸命に日本語で思いを伝えようとしてくれる。一人称が「わたし」「おれ」とめまぐるしく変遷するのもいじらしく、愛嬌のある表情には父・ドミンゴの面影があった。
2 / 4