【高校野球】大阪学院大高が本気で目指す「打倒・大阪2強」の先 根も葉もない噂の流布に困惑も (2ページ目)
大阪学院大高は江夏豊氏(元・阪神ほか)の母校として知られ、1996年春のセンバツベスト8の実績がある。近年は学校をあげて野球部の環境改善に注力し、大阪市立大(現・大阪公立大)の監督を務めた辻盛監督が就任して、ますます強化が進んでいる。
辻盛監督は異色の指導者だ。大手保険会社勤務時代には13年連続ナンバーワンの売上を達成し、著書『営業は自分の「特別」を売りなさい』(あさ出版)はサラリーマンの間で読みつがれるロングセラーになっている。
現在は会社経営者としても成功し、順調な収益を挙げている。社員教育にもこだわりを持ち、「こちらからは教えないこと」を信条とする。社員に対しても野球部員に対しても、「どうすればいいと思う?」などと質問を繰り返し、本人に考えさせる。「教育者」としてのアプローチは一般的な学校教員と一線を画し、経営者ならではの視点を感じさせる。
高校1年の時に智辯和歌山から大阪学院大高に転校してきた長瀬大来 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る
【今春から公式戦解禁の秘密兵器】
昨秋は3番・遊撃手の鶴丸巧磨、4番・捕手の樋爪信(といづめ・しん)ら、将来有望な1年生が主力を占めるチームだった。しかし、ひと冬越えた今春、大阪学院大高は新3年生に「新戦力」が加わっている。
長瀬大来。身長188センチ、体重92キロの大型右腕である。やや変則的なスリークォーターから最速146キロのクセ球と、横滑りするスライダー系の球種を武器にする。
この個性派右腕が昨秋までベンチ入りしていなかった理由は、高校1年時に別の高校に通っていたため。今春のセンバツで準優勝を果たした智辯和歌山に、長瀬は在学していた。規定により転校後1年間は公式戦のベンチ入りができず、今春から解禁になる。
事情があって大阪学院大高に転校したものの、長瀬に智辯和歌山に対するわだかまりはない。
「智辯和歌山にマイナスな感情はまったくないですし、甲子園での活躍に刺激を受けています。夏は日本一を目指して甲子園で戦えたら、最高だと思っています」
智辯和歌山の4番打者・福元聖矢とは小・中・高とチームメートだった親友であり、「飛び抜けた選手になってほしい」とエールを送る。
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