東海大相模・原俊介監督が語る指導論 「プロの技術を高校生に伝えるのは難しい」 (2ページ目)
── 3回戦は、同じく甲子園で優勝経験のある広陵(広島)に8対1と勝利。2年生の3番・中村龍之介選手が4安打4打点の大活躍でした。
原 初戦で熊本工相手に1失点完投、9奪三振の高尾響投手が2番手で投げたのですが、2イニングで5点取れましたからね。中軸がしっかり打ち、いい試合展開のまま進めることができました。
── ベスト8に進出しましたが、準々決勝で関東一高に1対2の惜敗。7回に相手4番の高橋徹平選手に先制のソロ本塁打を浴びました。打線も、先発左腕の畠中鉄心投手、本格派右腕の坂井遼投手(ロッテ4位指名)のリレーの前に1得点。
原 藤田が頑張って投げてくれたのですが、チェンジアップを本塁打されました。畠中投手はコントロールがよくて、簡単に打たせてくれませんでした。
── 現実的に真紅の大旗も見えたと思うのですが。
原 確かに上の景色は見えました。ただ富士山にしても、車で登れる5合目に行くと頂上は見えますが、そこからが大変というか......。さらに上を目指すには、まだまだやらなければいけないことがある。上のレベルになればなるほど、なかなか点は入りません。その時にただ打って点を取るのではなく、いろんなアプローチをして風穴を開けていかなければいけないことを実感しました。
【プロの技術を伝えるのは難しい】
── 新チームとなった秋の関東大会は、山梨学院に延長10回タイブレークの末にサヨナラ負け。その大会を制し、神宮大会でも優勝したのが、ライバルである横浜高でした。
原 夏の甲子園での課題を紐解きながらやったつもりだったんですけどね。横浜高が関東大会を制し、神宮大会も勝って日本一を達成しました。生徒たちには「来夏に向けて、君たちが日本一を獲りにいくつもりじゃないと、どんどん離される一方だよ」という話はしました。
── 原先生は、巨人で11年間プレー。高校生を指導するうえで、プロでの経験が役立っていると思いますが、具体的にはどんなところですか?
原 プロのテクニックというのは、高校生には難しいです。プロの技術と言っても、そのとおりに体が動かないし、感覚もない。プロ野球選手の皆さんは試行錯誤を繰り返して、初めてその感覚に行き着いているわけですから。それなりのことは言いますが、言ってもなかなかできないのが現実です。
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