【夏の甲子園】早稲田実業・宇野真仁朗の足に脱帽 鳴門渦潮「相手のスキを突く四国の野球を相手にやられてしまった」 (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro

「長打警戒でシングルヒットはOKだったんですけど、初回のヒットはレフトがボールに寄りきれなかった。そのあたりは経験不足。宇野くんはスキがないプレーをする。8回のホーム突入もそうですし、次の塁を奪う意識が高い。見習うべき走塁を目の前でされてしまった」

 徳島大会をほぼひとりで投げ抜いたエース・岡田力樹の185球の力投は報われなかった。かつて「守りの野球」で多くの栄冠をつかんできた四国勢のうち、高知の明徳義塾を除く3校は初戦で姿を消すことになった。

 森監督は言う。

「相手のスキを突くという四国の野球を、相手にやられてしまった。余計な点を3点くらい与えた気がします。積極的な走塁、次の塁への意識は見習わないといけない。今後のチームづくりに活かしていきたい」

 試合の最終的なスコアは4対8。宇野の走力と意識の高さが、得点差となって表われたのかもしれない。

著者プロフィール

  • 元永知宏

    元永知宏 (もとなが・ともひろ)

    1968年、愛媛県生まれ。 立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。 大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。著書に『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)、『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)など多数。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長

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