スカウトが絶賛する東洋大・島田舜也 無念の代表落ちも「全然ダメとは思わない」と来年のドラフト1位を目指す (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 出鼻をくじかれ、てっきり意気消沈したのではないかと想像していたが、島田はあっけらかんと「おぉ〜、打たれるかって感じでした」と振り返った。

「最初は真っすぐで差せていたんですけど、変化球があまりよくなくて、最後は真っすぐが甘く入ったので、まあ打たれるよなと。あれくらいのバッターになると、一発でとらえてきますよね」

 つづいて大学選手権で7打席連続安打をマークした石飛智洋(天理大)には、ライト前ヒットを許した。その後は1アウトをとったものの、一死一、二塁のピンチの状態で強制終了。この合宿では投手は1イニングあたり20球までの球数制限があり、上限に達したためだ。

 2イニング目は繁永晟(中央大3年)、柳舘憲吾(國學院大)、山縣秀(早稲田大)にシングルヒットを浴びて1失点。最後は2巡目となる渡部にライト前ヒットを許したが、ライトを守る西川史礁(青山学院大)がノーバウンドのバックホームで走者を刺して3アウトに。三塁側ベンチに戻った島田は「ホントにスイマセン!」と叫んだ。

「試合が始まる前、『このチームで勝とう』と言っていたのに、自分が失点して点差を広げられてしまったので(試合は1対3で敗戦)。打たれてしまって申し訳ないなと思って、謝らせてもらいました」

 結果的に1失点で済んだとはいえ、アウトは4つしか奪えず、被安打は6を数えた。それでも、島田は明るいトーンでこう総括した。

「球速だけじゃダメだし、コントロールがアバウトすぎても打たれる。あとは組み立てもうまくできなければ打たれるとわかりました。打たれたのは悔しいけど、全然ダメだとは思いません。これくらいが今の実力だなと感じています」

 今回は大学日本代表入りを逃したといっても、プロスカウトが高く評価したように島田が2025年のドラフト1位指名候補であることは変わらない。

 島田は自分自身をどのように評価しているのだろうか。そう聞くと、苦笑交じりにこんな答えが返ってきた。

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