元・東大野球部スラッガーが司法の道へ 辻居新平の文武両道の極意は「勉強でもスポーツでも本気でやったほうが楽しい」

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

文武両道の裏側 第17回
辻居新平(東京大学野球部・元主将)インタビュー後編(全2回)

2019年に東京大学野球部主将を務め、自身は外野手として「東大初の野手でプロ指名」も期待された辻居新平(26歳/東大法科大学院)が、司法試験に合格した。まさに文武両道を歩んできた辻居にその極意を聞くべく、東大を訪ねてインタビュー。後編では、東大野球部時代の活躍や苦悩、そして司法試験合格までの勉強の日々を語った。

2023年の司法試験に合格した東大野球部OBの辻居新平さん2023年の司法試験に合格した東大野球部OBの辻居新平さんこの記事に関連する写真を見る

【プロ入りの宮台康平に尊敬のまなざし】

ーー現在受験シーズン真っただ中。東京大に現役合格した時のことを教えてください。

辻居新平(以下同) 東大の受験の時は、絶対落ちたなと思っていたんです。受験から発表までの3週間、もう神頼みというか、徳を積むしかない!と、道端に落ちているゴミを拾ったり(笑)。合格を知った時は本当にうれしかったです。

ーー入学する前と後で、東大のイメージに変化はありましたか?

 イメージにあまり変化はなかったですが、自分は中高一貫の男子校だったので大学に入ってやっぱり世界が広がりましたね。サークルに憧れもありましたが、自分は野球が一番好きだったので、東大野球部でチャレンジしようと思いました。自分が大きく変われた4年間だったので、東大に入ってよかったし、野球部に時間を捧げて本当によかったなと思います。

ーー高校までは軟式野球でしたが、硬式野球への適応で大変だったことは?

 一般的に軟式から硬式に変えるのは大変だと言われますが、実際、僕はそれほど大変じゃなかったです。それよりも、進学校の野球部から突然、東京六大学野球という大学のトップリーグに所属して、次元の違う高いレベルの野球に触れることになって、うまくならないといけないという焦りのようなものはありました。

ーー辻居さんが1年生の時には、のちにプロ野球入りする宮台康平さん(日本ハム・ヤクルトから現在は東大法科大学院)が3年生でしたね。1年生から見た東大野球部の先輩はどんな存在だったんですか?

 ただただ憧れでしたね。東大野球部っていうと、連敗のイメージがついている方もいると思うんですが、実際入ってみると、なかなかレベルは高いです。そんなイメージとのギャップがありましたし、身近に宮台さんのようなプロに行く方がいましたから、尊敬は大きかったです。

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