仙台育英・尾形樹人が持つ無形の財産「世代ナンバーワン」より「勝てる捕手」を目指す (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 湯田のウイニングショットであるスライダーは時に140キロ台で鋭く変化する。「捕るほうも大変なのではないですか?」と聞くと、尾形は「そうですね」と苦笑しながらこう続けた。

「でも、1年生の頃からずっと、たくさんのピッチャーのボールを受けてきたので。もう体に染みついています。慣れですね」

 夏の甲子園が終わる頃、U−18日本代表の選手リストに尾形の名前は入っているだろうか。仙台育英の夏が長くなればなるほど、その存在感は増していくはずだ。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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