身長166センチの名手、大会打率8割、超強肩捕手...大学野球選手権で猛アピールした4人のドラフト候補 (3ページ目)
大会ナンバーワンと評される強肩を誇る近大工学部の石伊雄太この記事に関連する写真を見る
大会ナンバーワンの強肩捕手
石伊雄太(近大工学部4年/捕手/178センチ84キロ/右投右打/近大高専)
今大会は好捕手が数多く登場したが、なかでも目を引くスローイングを見せたのは石伊だった。全身を柔らかく使い、力任せではなくスムーズな送球動作。二塁に向かって糸を引くような美しい軌道で、ボールが伸びていく。まさに絵になるスローイングができる捕手だ。
昨年12月に愛媛県・坊っちゃんスタジアムで開かれた大学日本代表候補合宿では、捕手陣で頭ひとつ抜けたスローイング能力を披露していた。石伊本人は「周りと変わらない」と思ったそうだが、ほかの捕手から称賛されたことで「自信を持っていいんだなと思えた」という。
そんな石伊には、全国舞台に苦い記憶がある。昨秋に出場した明治神宮大会。初戦で対戦した佛教大のエース・木村光から石伊は3打席連続三振を喫したのだ。
「バッティングを強化しよう」と冬場にパワーアップに取り組み、迎えた今春。広島六大学リーグ8試合で1本塁打を含む打率.290、12打点を記録した。大学選手権では初戦の千葉経済大戦で2安打を放ち、盗塁を決めるなど足でもアピールしている。
「今日も2三振してしまって、最初のほうはあまりボールが見えてなかったんですけど、最終打席はしっかり見えていたと思います(センター前ヒットを放つ)。代表候補合宿でレベルの高いピッチャーのスピードやキレを体験できたことも大きかったです」
2回戦の名城大戦でも1安打を放った一方、手痛い送球エラーが失点につながり0対1で惜敗。試合後、石伊は力なくこう語っている。
「こういう舞台で自分の力を出せないのは、まだまだ力不足ですし、守備も打撃も出直しだなと。自分のなかではまだまだダメだなと思っています」
進路については明言を避けたが、稀代の強肩捕手の動向を注視するスカウトは多いはずだ。
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