プロスカウトが熱視線。都市対抗を沸かせた2022年のドラフト候補たち (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshihiro

 都市対抗では、初戦のエイジェック戦で値千金の同点タイムリーを放つなど、2安打2三振とらしさを見せた。春先には左肩を脱臼して出遅れたものの、現在は回復。平良は充実した表情でこう語った。

「社会人のピッチャーはコントロールもキレもすごくて、最初は低めのボールに対応できませんでした。でも、今は見送れるようになってきて、選球眼には自信があります」

 大阪ガスには児玉亮涼、三井健右と持ち味の異なる大卒新人野手がいる。児玉は九州産業大2年時から大学日本代表入りした、九州の牛若丸。166センチ、64キロの小兵ながら安定した遊撃守備は、プロでも十分に通用する。課題の打撃は都市対抗2試合合わせて7打数0安打と結果が出なかったが、優勝した夏の日本選手権では5試合で打率.300、5打点と活躍している。

 三井は立教大時代に大学通算9本塁打を放った大型スラッガー。豪快なスイングが魅力の左打者だが、都市対抗では2試合で1安打と消化不良に終わった。4番打者の末包昇大(すえかね・しょうた/広島6位)がプロ入りする来季は、新主砲としての真価が問われる。また、今季はDH中心だった。守備面でも、最低限のアピールができるか。

 他にも、関東学院大時代に安打製造機として騒がれた関龍摩(JFE東日本)、都市対抗で1試合2本塁打を放った強肩捕手・上甲凌大(伯和ビクトリーズ)も来年が楽しみな選手たちだ。

 プロ側が社会人出身選手に求めるハードルは必然的に高くなる。「即戦力」の看板にふさわしい実力と実績を、来年の社会人球界で積み上げてもらいたい。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る