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大注目の風間球打が甲子園で見せた「2つの顔」。150キロの球速だけじゃない魅力 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 このフォークを見たあるスカウトは、「カーブとスライダーはあくまでカウントを取る球ですが、フォークは空振りがとれる。速球とフォークの2種類だけでも十分に抑えられますし、すばらしい変化です」と評価した。

 秋田大会ではこんなシーンもあった。相手チームの投手を含め、ほとんどの選手がグラウンドで試合前の準備をするなか、風間は体力の消耗を考えてベンチ裏の室内ブルペンで調整をした。その場その場の環境に応じて、ベストを求めて順応していく。風間のクレバーさは今後も大きな武器になっていくだろう。

 風間が甲子園初戦で見せたもうひとつの顔は、「熱い顔」である。

 ノーゲームになった12日の登板で4回ノーヒットに抑えたとはいえ、風間にとっては満足のいく内容ではなかったようだ。こんな言葉も漏らしている。

「力を抜いた部分もあって、自分の思ったようにいかなかったので、秋田大会のようにしっかりと腕を振りたい」

 雨天順延が続き、中2日で迎えた15日の登板では、立ち上がりから本来の強い腕の振りが見られた。この日、最速150キロをマークしたことを尋ねられた風間は、こう答えている。

「初回からどんどん飛ばしたので、球速が出てうれしかったです」

 ただし、強く腕を振ろうという意識が強すぎたのだろう。風間は「今回は力を入れて、力みながら投げてしまった」とも語っている。その結果、風間の速球に照準を合わせ、コンパクトなスイングをしてくる帯広農に苦戦する原因にもなった。

 それでも1対1の同点に追いつかれ、なお一死二、三塁のピンチを背負った3回表は、3番・佐伯柊、4番・干場雄心の中心打者を2者連続三振。風間は「この場面は力を入れました」と振り返る。佐伯には149キロのインコースへのストレートで空振り三振を奪っている。全体的に納得のいくボールが少ない日でも、ここぞの場面で実力を発揮できるのが風間の強みだ。

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