甲子園はなくても...高校No.1捕手、日大藤沢・牧原巧汰が描くデッカイ夢 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 この言葉を聞いて、牧原の描く青写真が見てみたくなった。捕手として、将来どんな成功イメージを抱いているのか。そう問うと、牧原は強い口調で語り始めた。

「やっぱり守れるだけじゃ、世界に通用しないので。打てて、ピッチャーをうまくリードして、配球もできて、すべて他の人より上回っているキャッチャーになりたいです」

 世界で通用する捕手──。夏の甲子園がなくなり、鎮痛なムードがぬぐえない高校球界にあって、こんな大きなスケールで夢を描く球児がいる。それはまさしく希望でしかなかった。

「あの牧原は、高校最後の夏の大会で送球を顔面にぶつけて鼻血を出していたんだよ」

 いつかそんな伝説が、笑い話として伝えられる日か来るかもしれない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る