「センバツ交流戦」で見逃すなかれ。密かに注目していた5人の逸材 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 パワーは間違いなく全国屈指。そのため、角度をつけて引っ張れば簡単にスタンドに放り込める。だが、そのスイングがクセになるとまずい。今でも外に逃げる変化球の見極めが甘く、打ってもヒットにならないボールを追いかけて打ち取られる場面を何度も見た。それにドアスイング傾向になると、木製バットになった時に必ず苦労する。

 おそらく、そのあたりは本人も気づいているはずだ。だからこそ、西川が逆方向を意識したバッティングをしているのか、確認したいのはその一点だ。そこが修正されていれば、ドラフトでの上位指名もあるのではないだろうか。

 このほか、昨年秋に見られず、この春にどうしても見たかった3人の投手がいる。日本航空石川の嘉手苅浩太(かてかる・こうた/3年/190センチ105キロ/右投右打)、天理の達孝太(たつ・こうた/2年/192センチ80キロ/右投右打)、鹿児島城西の八方悠介(やかた・ゆうすけ/3年/180センチ74キロ/右投右打)だ。

 嘉手苅は、昨年秋の石川大会決勝の星稜戦で炎上してしまった。高校生でこれだけのサイズの投手なら調子の波が激しいのは当たり前。好調時は150キロ近いストレートを投げ込むと聞いていたのだが、それだけでも魅力十分。

 また、投げない日は「4番・三塁手」として出場するという。「あれだけのサイズで、これだけ動ける高校生は少ない」と、地元の人から聞いていた。その「これだけ動ける」とは、どの程度なのか。そこをセンバツで見たかったのだ。

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