2019.11.25

騒然の「マトリックス投法」も。
神宮で見つけた地方リーグの個性派たち

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 秋の学生野球のビックイベント・明治神宮野球大会。高校の部は中京大中京(愛知)、大学の部は慶應義塾大が制して1120日に閉幕した。

 6日間の大会日程のうち5日は高校と大学が同日に試合をするため、高校野球ファンと大学野球ファンが神宮球場にやってくる。とくに大学の部目当てのファンは、服装でわかる。日が落ちて晩秋の寒風にさらされても耐えられるように、厚手のアウターで「完全防備」をしているからだ。

 高校に比べると注目度が低く感じられる大学の部だが、それでもスタンドをざわつかせた個性派選手は数多く登場した。今回はとくに目立った、3年生の3選手に絞って紹介していこう。

日本代表の4番を目指したいと語る東海大札幌の主砲・赤尾光祐 近年、強力なチームを作り上げてくる東海大札幌(札幌学生リーグ)で異彩を放ったのは、主砲の赤尾光祐(あかお・こうすけ)である。身長181センチ、体重92キロの厚みのある肉体から、強烈なスイングを繰り出す右の強打者だ。

 名門・東海大相模(神奈川)出身だが、2年夏に全国制覇した際は背番号18で甲子園での出場機会はなし。高校3年時に東京六大学の名門大のセレクションに落ち、「前監督の高橋(葉一)さんに『ウチで(落とした大学を)倒そう』と言ってもらったので」と北海道に渡ることを決意した。

 3年秋までにリーグ通算11本塁打を放ち、大学日本代表候補合宿には2年冬、3年春と2回招集され、今冬の招集も決まっている。

 明治神宮大会では初戦で大阪商業大と対戦。先発した大西広樹(ヤクルト4位)のフォークに反応してレフト前に先制タイムリーを放つと、2番手の橋本侑樹(中日2位)にはチェンジアップで2三振を奪われたが、最終打席で内寄りのカットボールをうまくとらえてセンターへのタイムリーヒットを放った。プロに進む投手が相手であっても「やってきたことをやれば打てると思いました」と、ひるみはなかった。赤尾の2打点を守り切った東海大札幌は、初戦を突破した。