2019.09.10

ぽっちゃりスラッガーの系譜を継ぐか。
その候補が社会人野球に2人いる

  • 楊順行●文 text by Yo Nobuyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 中村剛也、山川穂高(ともに西武)、井上晴哉(ロッテ)に頓宮裕真(オリックス)。さかのぼれば、ドカベンこと香川伸行(元ダイエー)やデーブこと大久保博元(元巨人など)……。プロ野球界には、”ぽっちゃり”体型のスラッガーがしばしば登場し、愛嬌あるキャラクターもあいまって人気者になることが多い。

 そんな”ぽっちゃりスラッガー”がアマ球界にも存在する。まずは、シティライト岡山の小竹一樹。7月に行なわれた都市対抗では、初戦の宮崎梅田学園戦でホームラン。タイミングが合わずに泳ぎながらも、高い放物線を描きスタンドに放り込んだ。

「自分自身初めての全国大会だったので、緊張よりもワクワクしました。何本でも打ちたいですね」と、小竹は笑顔を浮かべていた。

 そんな小竹について、監督の桐山拓也はこんなエピソードを教えてくれた。

「練習では何本も場外に打つので、本人にボール探しを命じています」

 179センチ、115キロのパワーが生む飛距離はとてつもない。

 日本橋学館大(現・開智国際大)時代は千葉県リーグの3部とあって、まったくの無名だった。だが、2年生となった2012年、チームは春秋と3部リーグを連覇。小竹も秋はDH賞を獲得し、チームの2部昇格に大きく貢献した。4年春にも16試合で6本塁打と爆発し、またもDH賞を獲得。4年時だけで10本塁打と量産し、大学通算で26本塁打を記録した。当時を小竹が振り返る。

「アンドリュー・ジョーンズ(AJ)とよく言われていました。ユニフォームも楽天にそっくりだったので……」

 AJと言えば、2013~14年の2年間、楽天に在籍し、2013年の日本一に貢献した選手だ。決してぽっちゃりではないが、体重100キロ超えの巨漢である。確かに、大学時代の小竹のユニフォーム姿は、AJにそっくりだった。

 小竹はその飛距離が目に止まり、大学卒業後、シティライト岡山に入社。すると1年目から、都市対抗予選、日本選手権予選でそれぞれ一発。天性のアーチストぶりを見せて、中国地区の最優秀新人に輝くなど、頭角を現した。そして今年、小竹の活躍もあって、念願の都市対抗出場を果たし、初勝利も飾った。

 ただ、今年27歳になるためプロ入りには消極的だが、はたして……。