ロッテ東妻勇輔が智弁和歌山の弟・
純平へエール。全国制覇の夢を託す (3ページ目)
夏の甲子園初戦で、智弁和歌山は米子東(鳥取)と対戦した。純平は「6番・捕手」で出場し、4回に先制のタイムリーを放つと、6回には右中間に勝ち越しのタイムリー三塁打を放つなど3安打2打点の活躍でチームの初戦突破に貢献した。
つづく2回戦の明徳義塾戦でもホームランを含む4打数2安打。守っても矢田真那斗、池田陽佑の両投手をうまくリードし、明徳打線を1失点に抑えた。そして3回戦の相手は、大会ナンバーワン投手の呼び声が高い奥川恭伸(やすのぶ)を擁する星稜(石川)だ。
勇輔が期待するのは、もちろん自身が高校時代に果たせなかった全国制覇。そして秋にはドラフト会議も待っている。弟のプロ入りについて、勇輔はこう語る。
「プロに入って、思うようにいかず悩みすぎる不安があります。日頃あまり悩んだりしない僕ですら、プロに入っていろいろと悩むことがあったのに、純平はもっと考え込んでしまうタイプじゃないかなって......。ただキャッチャーって、ほかのどのポジションよりも考えなければいけない。そういう点では、もしかしたらアイツのような性格のほうが向いているかもしれないですね」
年末に帰省した時、純平がマスクをかぶり、勇輔のボールを受けたという。そんなシーンがプロの世界で実現するのか。そんな日が来るのを兄は心待ちにしているが、その前に自身が高校時代に果たせなかった全国制覇の夢を弟に託す。
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