2019.05.16

グラウンド内外でオーラ全開。
西岡剛はBCリーグの価値を高めている

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Asa Satoshi

 今年で13年目のシーズンに突入し、新たに1球団を加えるなど、一貫して攻めの姿勢を崩さないルートインBCリーグ。そのなかでも、とりわけ攻めの姿勢を続けているのが栃木ゴールデンブレーブス(栃木GB)だ。

 2017年に加盟した新興球団だが、昨年は行き場を失った村田修一(現・巨人コーチ)を入団させ、世間をあっと言わせた。結局、村田はNPB復帰をかなえることはできなかったが、大ベテランに花道をつくったことで栃木GBの知名度は一気に上がった。

 NPBを目指す若者の挑戦の場として存在する独立リーグに、NPBを経験したベテラン選手を入団させることについて、すべてが肯定的ではない。しかし、ファンを喜ばせ、リーグのプレーレベルを上げるという点においては、彼らの存在は不可欠と言えるだろう。実際、昨年の栃木GBは村田の入団によって飛躍的に観客動員数を伸ばした。

 そして今シーズンも、栃木GBにビッグネームがやってきた。NPBのみならずメジャー経験もある”スピードスター”西岡剛だ。トップバッターとして圧倒的な存在感を見せつけている。

NPB復帰を目指しBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスでプレーする西岡剛 開幕戦で対戦した茨城アストロプラネッツの投手・小沼健太はこう語る。

「もう雰囲気が違います。オーラが出ているって感じですね。僕は千葉出身なので、西岡さんは子どもの頃からのヒーローでした。緊張したってわけではないですけど、やっぱりのまれてしまったというのはありましたね」

 NPBのスカウトも注目している小沼と西岡の対戦は4打数2安打。「逃げずにいこう」と得意のストレートで勝負するも、初回にいきなりライトオーバーの二塁打を打たれてしまう。ボールをリリースした瞬間、「いかれた」と思ったほど、西岡は独特の雰囲気を醸し出していたと小沼は振り返る。

 さらに小沼が驚いたのは、2、3打席を真っ向勝負で抑えたあとの4打席目だった。追い込んだあと、ダブルプレー狙いで投じた外角低めのチェンジアップを西岡はうまく合わせ、レフト前にポトリと落とした。

「うますぎでしょ!」

 小沼は思わずそう叫んだ。打たれるはずのないコースの球をいとも簡単に無人のフィールドに落とした熟練の技に、小沼は自分が目指すNPBの壁の高さを思い知らされた。