2018.09.11

谷繁元信VS大阪桐蔭。「吉田輝星が
ふたりいれば抑えられるかも」

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

谷繁元信が見た甲子園・後編

(前編はこちら>>)

 プロ野球で27年間現役を続け、歴代最多の3021試合に出場した名捕手・谷繁元信は、キャッチャーという激務をこなしながら2000本安打を達成した好打者でもあった。プロ1年目から引退するまで27年連続でホームラン(プロ野球記録)を放っている。

 そんな谷繁の目に、2018年の高校野球を席巻した大阪桐蔭はどう映ったのか。

投手、野手の両方で活躍した根尾昴――チーム打率3割2分8厘、本塁打8本を放った大阪桐蔭打線が、決勝で好投手の吉田輝星(こうせい・金足農業)を打ち崩して春夏連覇を果たしました。根尾昴(あきら)、藤原恭大(きょうた)など左の好打者に注目が集まりましたが、谷繁さんの目に留まったバッターは誰ですか?

谷繁 やはり大阪桐蔭の根尾、藤原、それと中川(卓也)ですね。”二刀流”に注目が集まっている根尾は「ピッチャーではなくショートで育てたい」と、プロ野球関係者なら思うはず。あとは、報徳学園の小園海斗(かいと)も欲しい選手でしょうね。どの球団もショートを守れる人材が少ないですから。

――確かに、根尾、藤原、小園を今秋のドラフト1位候補に推す声が多いですね。

谷繁 プロに入ってすぐ戦力になるかどうかはわかりませんが、将来的な可能性をものすごく感じる選手たちです。根尾のバッティングに関しては、インコースの甘めのボールが得意で、うまくさばける。でも、アウトコースにしっかり決められるとまだ少し厳しい。

 今夏の甲子園でホームランにしたのも、ベルトより少し高いボールが多かった。まだ体の軸で打てていないので、どうしても前に(ピッチャー寄りに)出て反動で打つところがある。そういうとこが課題でしょうね。現状なら、サードの中川のほうがいいバッティングをしています。彼の打ち方であれば、さまざまなボールに対応できます。

――プロで一人前のショートになるのには時間がかかると思いますが。

谷繁 それでも、根尾にはショートで勝負してほしい。プロが求めるショートのレベルが高いのは事実。内野のなかで守備範囲が一番広いし、フットワークもハンドリングも必要で、頭もよくないといけない。それらをすべて兼ね備えている選手じゃないと。

 一軍で戦力になるのは簡単ではありませんが、根尾は頭もよさそうだし、スローイングの安定性がある。変なクセがなくて、身のこなしがいい。ピッチャーとしてもあれだけのボールを投げますしね。プロの打球のスピードにさえ慣れれば、十分通用すると思います。