2年後のドラフトがもう気になる。
ス-パー1年生たちが甲子園で活躍
8月5日。大きな節目になる100回大会開幕日の始球式のマウンドに立ったのは、松井秀喜氏だった。そのバックを守るのは、松井氏が卒業した星稜の後輩たち。現実の出来事にしてはでき過ぎなくらい、ドラマチックな名場面だった。
松井氏のすぐ後ろ、ショートのポジションを守っていたのは内山壮真。星稜に入学してわずか4カ月の1年生である。
「松井さんはみんなの憧れなので、興奮しました。でも、ミーティングで監督さんから『関係なく試合に集中すること』と言われていましたし、松井さんからも監督さんづてに『気負わないこと』とメッセージをいただいていたので、実践できたと思います」
1年生ながら名門・星稜の3番に座る内山壮真 星稜は今春センバツでベスト8に進出した、言わずと知れた強豪である。だが、内山はセンバツ帰りのチームで入学直後からショートのポジションを奪い、現在は3番打者として攻守で中心選手になっている。
「星稜中時代から田中(辰治)先生にしっかりと野球を教わって、野球を知ることができたので、1年春からでも関係なくプレーできました。中学時代はキャッチャーもやらせてもらっていたので、状況判断には自信があります」
身長172センチ、体重72キロと体は大きくない。だが、その勝負度胸と攻守の高い能力はとても高校1年生とは思えない。小学6年時には全国大会に出場し、中学2年夏、3年春には全国大会夏春連覇を経験。侍ジャパンU−15代表にも選出され、U−15アジア選手権でベストナイン(捕手)と、輝かしい実績を誇る。
内山が魅力的なのは、ただ能力が高いだけではなく、ひとつひとつの所作が絵になることだ。たとえば、内山は打席に入る際にバットの芯を右手で押さえながら、しばらく見つめる。内山に聞くと、打席で集中するための「ルーティン」だという。
「これをやって打席に入ると、集中して音が何も聞こえなくなります。小学4年まで空手もやっていたのですが、空手も集中するときは一点を見つめるんです。野球にも通じると思ってルーティンにしました」
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