2年後のドラフトがもう気になる。
ス-パー1年生たちが甲子園で活躍 (3ページ目)
石川大会では「もっと投げたかった」と漏らす寺西だが、登板機会が少なかった理由は本人が一番理解している。
「先輩方に比べて、自分の力が足りないということはわかっていました。安定感がなくて、信頼がない。まだピンチで投げさせられるピッチャーではないと思っています」
まずは先輩の奥川のような、安定してゲームメークできる投手になりたいと言う。そして、その先には大きな夢が待っている。
「あと2年間頑張って、高校からプロに行きたいです」
2回戦の済美(愛媛)戦ではピンチで登板して逆転3ランを浴びたが、寺西の救援失敗を帳消しにすべく反撃のライト前ヒットを放ったのが内山だった。試合はタイブレークにもつれこみ、星稜は11対13で敗退。それでも、内山と寺西はおそらく星稜の投打の両輪として今後も甲子園を沸かせるだろう。
最後のU−15代表戦士は、二松学舎大付(東東京)の正捕手を務める山田将義である。二松学舎大付の市原勝人監督は、山田についてこう語っていたことがある。
「あいつは1年生とは思っていません。素直に見えて意外と頑固なところがあって、配球面で私が『こうしたほうがいいんじゃないか?』という話をしても、こうだと決めたら自分の考えを押し通すところがあります。まあ、私もそういう選手が好きなので使っているんですが(笑)」
身長176センチ、体重75キロの中肉中背。甘いマスクで甲子園の人気者になりそうな予感が漂う。だが、内面には太く強靭な芯が貫かれている。
「頑固というつもりはないんですが、性格みたいで(笑)。試合に入るとスイッチが入るんです。そこが悪いところでもあるんですけど」
普段の生活では「1年生らしく気を遣います」と言う山田だが、グラウンドに入れば先輩も後輩もない。東東京大会決勝では、リリーフに立った3年生右腕の岸川海に対して「しっかり投げてください」と言い放ったという。
「練習試合で腕が振れなくて負けたことがあったので、ピンチの場面でそれは避けたいなと。岸川さんは意気に感じてくれる人なので、『よっしゃ!』と応えてくれました」
3 / 5