2018.07.24

履正社らしからぬ苦戦は吉兆か。
打倒・大阪桐蔭への道筋が見えた

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 甲子園100回大会の出場をかけた地方大会は、次々と代表校が決まるなど、日に日に熱さを増している。そんな中、最も注目を集めているのが、史上初となる2度目の春夏連覇に挑む大阪桐蔭(北大阪)だろう。7月21日に行なわれた常翔啓光学園との3回戦では、わずか1時間23分でコールド勝ち(18-0)。初戦から2戦続けてコールド勝ちを収めるなど、「さすが」の戦いを見せている。

北大阪大会初戦で公立校の摂津相手にサヨナラ勝ちした履正社 その大阪桐蔭の最大のライバルと目されているのが履正社だ。大阪桐蔭が圧巻の戦いで常翔啓光学園を下した約1時間後、豊中ローズ球場では履正社の岡田龍生監督がベンチで珍しく左拳を突き上げていた。

 汎愛(はんあい)との3回戦、1-1の同点で迎えた8回裏、一死一、二塁から履正社の4番・白瀧恵汰がライトへ勝ち越しの3ランを放ったときだった。

 汎愛は公立校ながら体育科を持ち、近年は各大会で上位を賑わしている実力校。さらに今年は、最速147キロの本格派右腕・羽田野温生(はるき)を擁するなど、前評判は高かった。

 履正社としては、簡単に勝てない相手ということは百も承知だったはずだが、ここまで苦しむとは思っていなかっただろう。結局、このあとさらに1点を追加し5-1で勝利するも、指揮官の渾身のガッツポーズは、この試合がいかに苦しい戦いであったのかを如実に物語っていた。

 履正社は初戦(2回戦)でも、公立校の摂津にサヨナラ勝ちの6-5と辛勝。大阪桐蔭とは対照的に苦戦を強いられている。

 汎愛戦のあと、岡田監督が「今年のウチは弱いですから」と苦笑いを浮かべていたが、らしからぬ大会序盤からの”苦戦”に、履正社の「打倒・大阪桐蔭」への可能性が広がったのではないか……そんな思いを強くした。
 
 大阪桐蔭と履正社――近年の大阪で”2強”を形成してきた両雄だ。昨年のセンバツでは、史上初となる大阪勢同士による決勝も戦った。