大阪桐蔭のセンバツ優勝が見えた?神宮大会の完敗が「吉兆」なわけ (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 しかし、神宮大会は準々決勝で創成館(長崎)に4対7。守りのミスが続き、打線もつながらないなど完敗だった。

「マスコミの方が『大阪桐蔭は強い』と言ってくれているだけで、まだまだ力は足りません。今回はその通りの結果になったと思っていますし、あらためて力のなさを再認識しました」

 敗戦後、サバサバと語る西谷監督の言葉には「だから言ったじゃないですか......」といったニュアンスが多分に含まれていた。ただ、「まだまだ」という言葉の先には、「やるからにはいつも狙っています」と常々口にする"日本一"がはっきりと透けて見えた。

 この敗戦で公式戦の連勝は12でストップ。それどころか新チーム結成以来、練習試合を含め初の黒星となった。たったひとつの負けでも大きく話題に上がるのが、今の大阪桐蔭だ。

 とはいえ、神宮大会の初戦で戦った駒大苫小牧の選手からは「凄いと思っていましたが、実際にやってみるとそこまでは......」という声もあった。これは大阪桐蔭の試合を見たファンや報道陣のなかにも、同じような印象を抱いた人も多かったはずだ。

 西谷監督はこんなことも口にしていた。

「過去20年くらいを思い出しても、(新チーム結成後の)秋の段階で『本当にこれは強い!』と誰もが思ったのは、松坂投手がいた横浜高校ぐらいじゃないですか? いくら目立つ選手がいたとしても、チームとして未熟な部分が多分にあるもの。だから、うちもそうですし、力が分かれていくのはここからです」

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