2017.10.26

身長167cm、公立高校の
「小さなドラフト候補」が投げるスゴい球

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Nikkan sports

 現在、NPB支配下登録選手のなかに160センチ台の投手は5人しかいない。167センチの石川雅規(ヤクルト)、谷元圭介(中日)、野田昇吾(西武)、168センチの大山暁史(オリックス)、そして169センチの美馬学(楽天)。そして、今回のドラフト候補のなかに、石川らと並ぶ167センチの投手がいる。

「身長のことは気にしてないです。マウンドに立っているときは、大谷翔平投手になったような気分で投げています」

 そう語るのは、市立西宮高(兵庫)のエース・山本拓実。167センチの体から最速148キロのストレートを投げ込み、スカウトの注目を集める右腕だ。

春以降に急成長し、一躍ドラフト候補となった市立西宮のエース・山本拓実 今年夏の兵庫大会では、準々決勝で報徳学園に延長サヨナラで敗れたが、大会通算3試合(23イニング)を投げ、23奪三振、4失点と好投した。

 打者の手元で強い”圧”を感じるストレートが持ち味で、ある球団のスカウトは「関西ナンバーワン」と太鼓判を押し、あるMLBの日本担当スカウトは「20年前に見た松坂大輔のような球質」とまで口にした。

 本人は自身の最大の武器について、「すべての力を注ぎ込んで、リリースで叩きつけるイメージで投げています」と語る。ほかの投手よりも低い位置で放たれながら、そこから伸び上がるようなストレートは、全盛期の武田久(日本ハム)や谷元のイメージと重なる。

 山本は、甲子園球場からほど近い兵庫県宝塚市仁川で育った。大の阪神ファンで、憧れの選手は赤星憲広だった。中学入学時で身長は139センチ。小柄で俊敏なプレーが持ち味の選手だと勝手に想像したが、実際は違ったらしい。