山﨑武司も絶賛の165cm、盛岡大付・植田拓はプロでもフルスイング
それは衝撃のカミングアウトだった。
8月9日、午前6時45分。試合開始前の報道陣による囲み取材で、盛岡大付の強打者・植田拓は前日に眠った時間を尋ねられ、こう答えた。
「楽しみ過ぎて、一睡もしていないんです」
呆気にとられるメディアを前に、植田はこう続けた。
「練習の後、宿舎に帰ってちょっと仮眠はしたんですけど......。夜はベッドに入って目をつぶって寝ようとしたけど、眠れなくて。1人でテレビを見ていました」
身長165センチながら高校通算60本塁打のスラッガー、盛岡大付の植田拓 こんなことは初めてなのかと問うと、植田はあっけらかんと「結構あります」と答えてさらに驚かせた。植田が甲子園に出たのは今夏が3度目だが、過去にも2016年夏の創志学園戦(2回戦)と2017年春の高岡商戦(1回戦)の前夜は一睡もできなかったという。「寝不足のときは結構いい結果が出るんです」と植田が照れながら告白するように、創志学園戦では5打数2安打1本塁打1打点、高岡商戦では6打数3安打2打点と打棒が爆発。チームはいずれも2ケタ得点を挙げて勝利している。
今夏、植田が眠れなかった理由、それは甲子園初戦の相手が前年度覇者である作新学院だったからだ。
「(初戦の相手が)抽選で作新に決まったときは『食うぞ、絶対に食うぞ!』とチーム内で言っていました。強いチームと当たる方が燃えますね。『絶対に勝ちにいく』という思いになれますから」
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