大阪の古豪に現れたエースと主砲。興国高、42年ぶりの甲子園なるか

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Nikkan sports

 夏の甲子園出場をかけ、全国各地で熱戦が繰り広げられている。そんな中、全国屈指の激戦区である大阪で、興国高が古豪復活に向け順調なスタートを切った。

夏の大阪大会1回戦で7回一死まで無安打ピッチングを披露した興国のエース・植田健人夏の大阪大会1回戦で7回一死まで無安打ピッチングを披露した興国のエース・植田健人 今年の興国には、春の大阪大会4試合で5本塁打を放った中野翔哉がいる。さらに、昨年のチームからエースで4番を担ってきた植田健人(たけと)もいる。大阪にはセンバツ優勝の大阪桐蔭、準優勝の履正社という2大強豪校が君臨しているが、投打に柱となる選手を擁する興国にも十分チャンスがあると見ている。

 そして大阪大会1回戦(対貝塚南戦)で植田は7回一死まで無安打という圧巻の投球を披露。以降も打たれたヒットは内野安打の2本だけでスコアボードに9つの「0」を並べた。一方、3番に入った中野は期待のホームランこそなかったものの1安打を放ち、次戦に期待を抱かせた。

 実は、今年の6月、興国が関東遠征に来たときに、彼らのプレーを見ている。相手は桐蔭学園(神奈川)だった。

 会場となった東京経済大のグラウンドは、両翼95メートル、フェンスの向こうに高いネットがめぐらされている。野球場というのは面白いもので、外野のネットが高ければ高いほどフェンスがすぐそこに見えて、こういう環境での長距離砲は「よし、狙ってやるか」と一気にテンションが上がってしまうものだ。

「粗くならなければいいが......」

 そんな心配が頭をよぎったとき、中野が最初の打席に入った。177センチ、93キロという堂々の体躯が、右打席で高くバットを掲げる。真ん中から外へわずかに滑るカットボールを引っ掛けて、サードゴロになった。

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