5年ぶり頂点へ。大阪桐蔭の新2年生に「凄すぎるメンバー」がズラリ (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 野手の注目は、藤原恭大(大阪・枚方ボーイズ出身)。走攻守すべてを兼ね備えた、来年のドラフト候補だ。大阪桐蔭では1年夏からセンターで出場し、秋の公式戦では36打数15安打(打率.417)、1本塁打、5盗塁と大活躍。

 藤原の最大の魅力は驚異的なスピードにある。

「過去のどの選手とも比較できないほど異次元の速さ。彼の中学時代に試合を見たとき、普通のセカンドゴロで間一髪アウト。あのスピードには驚かされました」(西谷監督)

 打席でも好球必打のスタイルが染みついており、積極的なバッティングで外野の間を抜き、ツボにくれば一発を放り込む長打力もある。

 兄の海成は昨年夏に最後のPL学園のメンバーとして話題になったが、弟の恭大はセンバツの舞台で注目の男となるだろう。

 また、このセンバツでクリーンアップの一角を担いそうなのが、中川卓也だ。大阪福島シニアでは早稲田実業の4番、野村大樹と3、4番を組んでおり、シニアのジャパンメンバーにも名を連ねていた。

 新チームでは2番・セカンドでスタートしたが、右足中指の疲労骨折で大阪大会を欠場。しかし、近畿大会で復帰するとそこから3試合で11打数6安打、5打点と大暴れ。

「とにかく打ちます。身体能力という点では根尾や藤原におよびませんが、いつもヒットを打っている、そんな印象の選手です」

 西谷監督も惚れ込むバッティングは、将来の"打撃職人"の姿をイメージさせる。兄の優は、2014年のセンバツで大阪桐蔭に敗れた八戸学院光星のエース。高校進学の際、当然ながら青森行きを考えたが、最後は兄を倒した大阪桐蔭で夢を追うことを選択した。

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