クラーク国際ってどんなチーム? 通信制高校が夏の甲子園に初登場 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 長壁明●撮影 photo by Osakabe Akira

 それでも、優勝候補と見られた白樺学園など、強豪が次々と敗れた追い風もあり、クラーク国際はあれよあれよと勝ち上がりながら急激にチーム力を高めていった。そして、長壁さんはクラーク国際について意外な事実を明かした。

「クラーク国際の本校がある深川市の納内(おさむない)町というところは、過疎化が進んでいるんです。その納内の廃校になった中学校を改装して、クラーク国際が野球部寮を作りました。私も取材に行きましたが、地域の人は『若い人が来てくれた』と喜んでいました」

 クラーク国際本校の山口敬二郎キャンパス長にも話を聞いてみると、さらにその内情を教えてくれた。

「遠征があったりすると、年配の方を中心に20~30名ほどの方々がツアーを組んで、バスで応援に来てくださいます。地域のみなさんで後援会を作ってくださって、野球部は気持ちよくクラブ活動をさせていただいています」

 後援会には、納内町の町民のほとんどが入会しているという。過疎化、高齢化が進んだ町の人々にとって、クラーク国際の野球部はひとつの希望だった。今夏の甲子園出場が決まると、山口キャンパス長は多くの祝福の声を受け、改めて地域からの応援の力を実感したという。

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