クラーク国際ってどんなチーム? 通信制高校が夏の甲子園に初登場 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 長壁明●撮影 photo by Osakabe Akira

 クラーク国際の監督を務めるのは、「ヒグマ打線」と呼ばれた駒大岩見沢(閉校)を1993年春のセンバツでベスト4へと導いた佐々木啓司監督。監督・部長として計12回の甲子園出場経験がある大ベテランだ。甲子園ベンチ入りメンバーの出身校を見ると、北海道出身者が11名いるものの、あとは大阪、宮城など他府県出身者が7名いる。

 おそらく、多くの野球ファンがこんなストーリーを思い浮かべたのではないか。名監督を呼び、全国から有望な選手を集め、朝から晩まで練習して、甲子園出場を勝ち取った......と。

 実際に、北海道でもそのようなイメージや偏見を持った関係者は多いようだ。だが、北海道で高校野球誌『北の球児たち』の発行人を務める長壁明(おさかべ・あきら)氏は、はっきりと否定の言葉を口にした。

「中学時代にスターだった選手はいません。佐々木監督も選手集めには苦労していたようです。個性派の監督の指導を素直に受け止めて育った選手たちばかりで、私は彼らの素直さがもたらした優勝だと思っています」

 長壁さんは今夏の大会が始まる前、クラーク国際について「空知支部を勝ち上がれるかどうか、というレベル」と見ていた。支部予選を勝ち抜いて北北海道大会に進めるのは17校。つまり、甲子園はまだ遠いという評価だった。

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