センバツ開幕。近畿勢の3連覇を止める有力校はここだ! (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 近畿勢ではもう一校、天理(奈良)の評判も高い。昨夏2年生ながら奈良大会タイ記録となる4本塁打を放った坂口漠弥(内野手/右投右打)、昨秋11試合で11盗塁の快速・舩曵海(外野手/右投左打)ら打線はタレント揃い。166センチの小柄な左腕・斎藤佑羽の出来がチーム浮沈のカギを握るだろう。

 一方、「ストップ・ザ・近畿勢」の最有力候補は、昨年秋の明治神宮大会で優勝を飾った仙台育英(宮城)。エース・佐藤世那(右投右打)、俊足の強打者・平沢大河(内野手/右投左打)と投打の軸が安定。佐藤は空振りを取るフォークと、ゴロを打たせるフォークの2種類を自在に操り、神宮大会1回戦の天理戦では12三振を奪った。平沢は、本来は中距離打者だが、神宮大会決勝では右中間最深部へ本塁打を放つなど、パワーがあるところも見せつけた。投打がしっかりかみ合えば、東北勢悲願の初優勝も現実味を増すだろう。

 また、実力、実績ともに十分なのが、北信越王者の敦賀気比(福井)。エースの平沼翔太(右投右打)、主将の篠原涼(内野手/右投左打)、山本皓大(外野手/左投左打)と、昨年夏の甲子園ベスト4のレギュラー3人が残る。平沼は140キロ台中盤のストレート、スライダー、チェンジアップに自信を持つ本格派。打っても昨年秋の公式戦で3本塁打を放つなど、今大会を代表する選手のひとりだ。

 初戦で大阪桐蔭と対戦する東海大菅生(東京)は、投打で注目を集める勝俣翔貴(右投左打)が大舞台での活躍を誓う。昨年秋の公式戦では、63イニングで38四死球と制球力に課題を残したが、スライダーのキレは一級品。追い込んでから得意のスライダーを決めることができれば、大阪桐蔭の強力打線といえども攻略は容易ではない。勝俣は打撃でもチームの3番を打ち、通算15本塁打の強打者。この勝俣の後を打つ4番の江藤勇治(内野手/右投左打)が持ち前の勝負強さを発揮できれば、勝機はある。

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