桐光学園・松井裕樹の短すぎる夏。
取り戻せなかった「最高の感覚」 (3ページ目)
打倒・松井を掲げてこの1年を過ごしてきた横浜・渡辺元智監督は「リスクはあった」と語る。練習時は常に松井の剛速球を想定し、速い球をいかに打ち返すかに多くの時間を費やした。それゆえ、大会序盤は他校のピッチャーにタイミングが合わず苦戦した。しかし、松井に対するナインの恐怖心を打ち消すことに成功し、この日も8安打で3点を奪ってみせた。
今後の松井は、昨年の大谷翔平同様、甲子園不出場ながら高校日本代表として18Uワールドカップ(台湾)に参加することが濃厚となる。
「今後のことは何も考えていません」(松井)
進路こそ表明しなかったが、今秋のドラフトで上位指名を受けることは確実だ。全国制覇という目標に届かなかった高校時代の屈辱は、次なる舞台で晴らすしかない。
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