【高校野球】未来の大器が揃った関東。北関東にはプロ注目の好素材が集結 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 野手なら、今春のセンバツで4強入りを果たした群馬・健大高崎のふたり。長坂拳弥(3年/173センチ 70キロ/右投右打)は、今年の高校ナンバーワン捕手といっても過言ではない。余計な動作が一切ないコンパクトな動作からの正確無比なスローイングは、高校生のレベルをはるかに超えている。さらに、投手のリズムを作るうまさ、その日のベストな球種を続けて使える配球センスの良さ。加えて、打ち損じの少ないバッティングに俊足。もうひと回り体があったら、間違いなくドラフト1位候補だ。

 俊足といえば長坂のチームメイトでライトを守る竹内司(3年/177センチ 70キロ/右投左打)も、全国トップレベルのスピードを誇る。普通の選手よりも一歩から一歩半広く取れるリード。さらに厳重警戒の中での余裕のスチール。走者・竹内にぜひ注目を。

 最後にそれぞれタイプの違うサウスポーを3人紹介したい。昨年から茨城ではトップクラスの左腕だった下妻二高の諏訪洸(3年/168センチ 68キロ/左投左打)は、いわゆる「勝てる投手」。変化球でカウントがとれて、130キロ後半の速球、スライダー、チェンジアップを駆使して、ピンチには「スペシャルトップギア」を繰り出して切り抜ける。ホームベース上で動く球質とマウンド度胸のよさ。マウンドでは大きく見える投手だ。

 栃木・佐野日大の弓削隼人(3年/192センチ 89キロ/左投左打)は、昨年の秋までは「大きいだけ」のような投手だったが、今年の春になって制球力が増し、試合を作れるようになった。スピードは130キロ台だが、角度と球威でバットを押し返す。この夏に「答え」が出るタイプではないが、将来性はピカイチ。

 おそらく来年は関東ナンバーワン左腕になる可能性があるのは、群馬・前橋商の岩崎巧(2年/180センチ 75キロ/左投左打)。その素質は昨年の春、入学したての関東大会ですでに実証済み。勢い余ってどこかへ吹っ飛んでいきそうな腕の振りからの快速球。今年の春はすでにコンスタントに130キロ台後半をマークするまで成長している。ぜひ、甲子園の大舞台で見たい選手だ。

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