【高校野球】ついに160キロ!「怪物」続々誕生にダルビッシュ有の陰

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

岩手県大会準決勝で高校生史上最速となる160キロをマークした大谷翔平岩手県大会準決勝で高校生史上最速となる160キロをマークした大谷翔平 甲子園にはあと一歩のところで届かなかったが、岩手県大会準決勝で花巻東高の大谷翔平が高校生史上最速となる160キロを記録した。この一球以外にも、大会を通じ150キロ台のストレートを連発し、まさに「怪物」と呼ぶにふさわしいポテンシャルを発揮した。この大谷をはじめてとして、ここ数年、高校生の能力の伸びは目覚しいものがある。

 150キロを目にしても以前ほどの驚きがなくなり、まして140キロ台などは当たり前の時代に入っている。高校を卒業してプロに進んだ選手の活躍を見ても、近年の高校生のレベルの高さがわかる。

 昔から「高卒の投手はファームで3年鍛えてから一軍」というのが球界の定説となっていたが、田中将大(楽天)が1年目に11勝を挙げ、前田健太(広島)も2年目に9勝を挙げるなど、早い段階で活躍する選手が増えている。今シーズンも武田翔太(ソフトバンク)や釜田佳直(楽天)の高卒ルーキーが素晴らしいデビュー戦を飾った。この流れはどこから来ているのか。プロに入る以前の世界で新たな変化が起こっているということなのだろうか。

 これまで数多くの選手をプロに送り込み、今年もプロ注目の藤浪晋太郎を擁する大阪桐蔭高の西谷浩一監督にこの話をすると、真っ先にトレーニングの進歩を挙げた。

「現場に立つ者の実感としてはここ10年というより、ここ5、6年で一気にトレーニングが進歩してきた気がします。ウチに限らず、いろんな指導者と話をしていても強く感じますし、この部分が選手の力をより引き上げていることは確かでしょう」

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