2012.03.18

【高校野球】いよいよセンバツ開幕。
プロ注目の『高校ビッグ3』を見逃すな!

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 小内慎司、益田佑一●写真 photo by Kouchi Shinji、Masuda Yuichi

心配されていた左足の状態もよく、センバツで期待がかかる花巻東の大谷翔平。身長193センチ、体重86キロ。右投左打 高校ビッグ3――大谷翔平(花巻東)、濱田達郎(愛工大名電)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭)。今秋のドラフトで話題の中心となりそうな3投手が顔をそろえる第84回センバツ高校野球大会。それだけでも珍しいことだが、さらに今回は初戦から大谷と藤浪の直接対決が実現。注目度の高い開幕を迎える。

 万全の状態での投球を誰も見たことがないのに、これだけ騒がれる。それが大谷のすごさだ。昨夏の甲子園では左足に故障を抱え、ステップ幅を6.5歩から4.5歩に縮める “立ち投げ”ながら、150キロをマーク。どこも故障がなければ、どれだけのボールを投げるのか……想像するだけでワクワクさせてくれる。

 3人の中で、唯一、甲子園を経験しているのが大谷だからこそ、甲子園が持つ独特な雰囲気も知っている。

「(大会前に自分の)記事をたくさん書いてくれたことで、観に来てくださるお客さんも多くいるはず。球場にたくさん入ってくれるのは好都合。昨年の夏も花巻東を応援してくれる人は間違いなく多かったですし、自分たちにプラスになります」

 こういう思いがあるから、全力プレイだけでなく、それ以外の部分にも気を遣う。

「どういうピッチングをするかだけでなく、どういう立ち振る舞いをするのかも大事だと思います。応援されることを目的にやるわけじゃないですけど、そういうことも考えないと流れも来ないと思います。三振を取ったときも、審判から(ボールを)もらうときも、ひとつひとつの行動が見られていますし、実際、テレビにも映っているので、意識して真摯に行動していきたいと思います」

 幸い、左足の状態はいい。センバツ前の練習試合でも146キロをマークするなど、不安はない。ストレート以外にもカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークと多彩な変化球を操り、ストレートの調子が今ひとつでも配球を変えて対応できる幅がある。「ピッチャーの素質は能力だけじゃなくて、ピッチングで工夫できるか」と話す大谷。走者がいないときはどんな相手だろうと自分の投球を見失うことはない。

「一番の目標は個人のことよりも、岩手、東北初の優勝旗を持ってくること」

 先輩の菊池雄星(西武)同様、故郷に夢を届けるつもりだ。