「あの屈辱はシリーズで晴らす」。小川泰弘、リベンジの誓い

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 いよいよソフトバンクとヤクルトの日本シリーズがヤフオクドームで開幕する。そして、この日本シリーズを誰よりも心待ちにしているのが、ヤクルトの右腕・小川泰弘だ。

「チームのリーグ優勝が決まった時から、日本シリーズでソフトバンクと対戦したいという思いが生まれていました。リベンジのチャンスをもらえたので、前向きな気持ちで挑みたいです」

CSファイナルで巨人打線を8回無失点に抑えるなど、好調を続けている小川泰弘CSファイナルで巨人打線を8回無失点に抑えるなど、好調を続けている小川泰弘

 その思いは、マスクを被る中村悠平も同じだ。

「ウチが対戦する11球団の中で、いちばん倒しがいのあるチームですからね。小川が『ソフトバンクにやり返したい』と言っているように、"あの試合"の借りを返せるのは日本シリーズしかなかったので、対戦が実現できて良かったです」

 中村が言う"あの試合"とは、5月29日にヤフオクドームで行なわれたソフトバンクとの交流戦だ。先発した小川は、6回を投げて11安打7失点と打ち込まれた。中軸の内川聖一、李大浩、柳田悠岐、松田宣浩から4発を浴びるなど、自己ワーストのピッチングで敗戦投手となった。

 中村があの試合をこう振り返った。

「小川の調子も悪かったですし、ボールのキレもなかった。それに、僕自身もソフトバンク打線を前にしてビビってしまった。シーズンを通して考えると、あの試合がいちばん受身のリードになってしまいました」

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