早実・清宮幸太郎の甲子園出場に立ちはだかる東京のライバルたち

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 清宮は、来年の春も甲子園に行けるのか? 多くの野球ファンが、そんな興味をもって「秋」に目を向けているのではないだろうか。しかし、激戦区の東京でセンバツ出場切符を得ることは至難の業だ。そこで、清宮が戦うことになるだろう東京地区のライバルたちを紹介したい。

1年夏と2年春に甲子園を経験している二松学舎大付の大江竜聖1年夏と2年春に甲子園を経験している二松学舎大付の大江竜聖

<投手編>
 通常、秋の大会はどのチームも手探り。強豪校でもレギュラーが定まっていないポジションがあったり、一戦一戦勝ち上がりながらチームの戦い方を固めていくチームがほとんどだ。「打倒・早実」「打倒・清宮」などと、特定のチーム・選手に照準を合わせて臨んでいるチームはほとんどない。

 そんな中、秋季東京大会の優勝候補筆頭に挙がってくるのが、二松学舎大付だ。夏のレギュラー経験者7人が残っているのだが、なかでもエース左腕・大江竜聖(おおえ・りゅうせい/2年/172センチ74キロ/左投左打)の存在が大きい。

 1年夏、2年春とすでに2度の甲子園マウンドを経験しており、東京大会で投げる姿からは貫禄すら漂う。ストレートは最速140キロ台前半だが、数字以上の体感速度。横から見ていると、捕手のミットを突き破ってバックネットまで突き刺さりそうな威力を感じるボールだ。ストレートでもスライダーでも空振りが取れ、打者によっては突然クイックモーションを織り交ぜるなど、マウンドさばきも巧み。清宮は甲子園で好左腕・堀瑞輝(広島新庄2年)と対戦して2打数1安打1三振だったが、大江は同等以上の力を持っている。清宮にとって最大の難敵になりそうだ。

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