西大伍が考える鹿島の良さは「自分たちのサッカーに縛られない」 (4ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

――ルーティーンも作らない。

「ルーティーンは少ないですね。あまりないです。同じことをやっていると飽きちゃうし、身体も毎年変わっていくので、その都度、いいタイミングでいい人と出会ってきているから」

――今年の鹿島は、なかなか勝てない日々が続いたかと思えば、連勝もあり、また結果が出なくなったりして、それでも終盤は調子を上げてきました。そういうチームの波というのをどう考えますか?

「勝てないというのは、必ず理由がある。その原因が改善されれば勝てるようになるものです。本当の意味で改善できなくとも、"とりあえず"の応急処置というか、少し目先を変えたときに勝つことができるというのが、鹿島の良さかもしれないですね。結果が出るというのは、そこに至るまでの準備の問題なんです。勝っているその時じゃなくて、その1カ月前の準備だとか、勝てない時期に考えたことが、繋がって良い波が生まれるんだと思います」

――勝てない原因があるのと同じように、勝つためにも原因があるということですね。

「やっぱり、勝つというのは準備の質が高いということなので。練習の本気度だとか、そういうものがあるんじゃないですか」

――勝てないときに考えるというのは、チーム内で問題を共有するということでしょうか?

「選手同士ではそんなに話さないですね、僕は。考えていると言う人ほど、考えていないですからね(笑)。普通は考えずにサッカーはあるものじゃないですか? 準備のときには考えていない人が多いんじゃないかな。僕もそんなに考えないほうなので」

――考えないのですか? 考えたことが繋がって、勝利に結びつくのかと......思ったのですが(笑)。話の核心に迫りたかったのに、逃げられたような気がします。決めつけられるのが嫌いですか?

「そうですね。アマノジャクなので(笑)」

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