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【自転車】TeamUKYOが伝統の「輪翔旗」をついに獲得! (4ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 輪翔旗は特に目標にしていたわけではない――とは言うものの、土井は表彰式でチームの代表として、自ら進んで旗を受け取った。

 今回の優勝により、年間チャンピオンに向けて大きな足固めをした畑中も、この輪翔旗は本当に欲しかったタイトルなのだと話す。

「群馬ではかなりの高確率で勝っているけど、このレースだけは獲ったことがなかった。去年の輪翔旗は広島開催で、そのときも3位。いつもすごくいい位置にいるのに勝てないことが続いたので、このレースは本当に(勝利が)欲しかったんです。

 もう一度海外へ行きたい、外でレースをしたい、と自分で公言している以上は、日本のレースでは勝っておかなきゃいけないじゃないですか。だから、これでさらに良い形で上を目指せますね」

 勝たなきゃね、やっぱり勝たなきゃ。そういって、畑中はこみあげてくる喜びを堪えきれないかのように、含み笑いを漏らした。

 10月になるとJプロツアーは、いよいよ大詰めを迎える。さらに、日本で唯一のUCI超級レースジャパンカップ」も控えている。

「僕は、ジャパンカップを観て自転車レースを始めたんです。だからやっぱり、(思い入れが強いレースは)ジャパンカップなんです。あのレースで3位(2010年)になったことで大きく成長できたから、今年はさらに良い結果を目指し、選手としてもうひとつ上の段階に進めるようになりたいと思います」(畑中)

 そう。レースはやっぱり、勝たなきゃいけない。

(次回に続く)

著者プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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