【自転車】シーズン後半戦。TeamUKYOは世界に存在感を示せるか

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by AFLO

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第75回】

 約1ヶ月間の夏休み期間を経て、シーズン後半戦がスタートした。毎週のように続くさまざまなレースで、TeamUKYOはどのような戦いを見せているのか。10月に行なわれるビッグイベントに向けてレースを転戦する選手たちの奮闘ぶりを振り返る。

(前回コラムはこちら)

今年のブエルタ・ア・エスパーニャを制したファビオ・アル(中央・赤ジャージ)今年のブエルタ・ア・エスパーニャを制したファビオ・アル(中央・赤ジャージ) 2015年のサイクルロードレースは、いよいよシーズン後半戦に入った。レースの本場欧州では、ブエルタ・ア・エスパーニャが閉幕して3大グランツールすべてが終了。残る大きなレースは、「落ち葉のクラシック」とも呼ばれるジロ・デ・ロンバルディアやパリ~トゥール、今年はアメリカ合衆国で開催されるロードレース世界選手権などを残すのみとなった。

 日本では、7月末から夏休み期間に入っていた国内プロロードレースシリーズのJプロツアーが8月末から再開した。ここ数年の日本では常識となりつつある真夏の酷暑が落ち着き、嘘のように涼しくなった8月最終土日の29日と30日に、長野県宮田(みやだ)村でJプロツアー第14戦・みやだ高原ヒルクライムと、第15戦・みやだクリテリウムがそれぞれ行なわれた。

 この両レースに、TeamUKYOからはオスカル・プジョル、パブロ・ウルタスン、サルバドール・グアルディオラ、湊諒、窪木一茂、畑中勇介、土井雪広、山本隼の8名が参加。土曜のヒルクライムレースは、コース全長が10.7キロと短いものの、平均斜度は8.6パーセントと厳しい勾配のレイアウトだ。レース序盤から各チームの外国人勢がトップグループを構成したが、その中からプジョルが抜け出し、独走状態に持ち込んで今季Jプロツアー3勝目を挙げた。グアルディオラが4位でゴールし、湊が9位。また、それ以外のTeamUKYO勢も全選手が上位20位以内に入る高水準のレース内容だった。

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著者プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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