【自転車】片山右京「チームを束ねる、という難しさ」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第33回】

 TeamUKYOを率いる片山右京は、目標としている「ツール・ド・フランス参戦」を実現するため、オフシーズンも精力的に動き回っている。自転車チームを設立し、活動を始めてから3年――。選手の獲得や離脱、スタッフの環境面の整備など、チームマネージメントの難しさを語った。

(前回のコラムはこちら)

左から片山右京監督、土井雪広、リカルド・ガルシア、山本隼、ホセ・ビセンテ左から片山右京監督、土井雪広、リカルド・ガルシア、山本隼、ホセ・ビセンテ 2014年シーズンのTeamUKYOのリザルトは、前回コラムでも紹介したとおり、Jプロツアーの個人部門でチャンピオンを獲得したものの、チーム部門では惜しくもタイトルを逃し、総合2位で終えた。一方、GOODSMILE RACING&TeamUKYOとして四輪レース活動を行なっているSUPER GTでも、結果は同様だった。ドライバーランキングは谷口信輝選手と片岡龍也選手がチャンピオンを獲得したが、チームランキングではわずか1ポイント差で2位に甘んじる結果となった。

「自転車はJプロツアーの参戦開始以来、3年で2回。四輪はSUPER GTで2回のチャンピオン(2011年・2014年)。やっていることはどちらも同じで、特に奇(き)をてらったようなことは何もしていないんですよ。言葉で説明するのはちょっと難しいんだけど、自転車に対しても、四輪に対しても、やるべきことひとつひとつに魂を込め、繊細に、粛々(しゅくしゅく)と進めてゆく。それだけのことです。もちろん、今シーズンでうまくいかなかったことや、失敗したことは、二度とその轍(てつ)を踏まないように作戦を練り、チームがうまく転がってゆくようにマネージメントしながら、選手の補強もしてゆく予定です。

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著者プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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