【新車のツボ135】レクサスLC 、日本の味わいで世界と勝負するクーペ

  • 佐野弘宗●文 text by Sano Hiromune photo by LEXUS

 レクサスの完全新機種である"LC"はご覧のとおり、なんとも立派な大型2ドアクーペで、お値段はじつに1300万円以上もする!

 こうしたクルマはいわば富裕層の嗜好品で、浮世ばなれした上流階級感がツボ。「こういうクルマに乗る人こそ、本当のお金持ち」とだれもが自然に受け入れる社会通念がないと、なかなか理解されにくい。だから、欧米よりクルマにまつわる歴史が短く、明確な階級社会でもない日本のメーカーが手がける商品として、この種の超高級クーペはもっともハードルが高いジャンルである。

 もっとも、「1000万円オーバーの2ドア」というだけなら、日本にも日産GT-RやホンダNSXといった前例がある。しかし、GT-RやNSXは単純で分かりやすい"速さ"を高価格の根拠としており、モータースポーツに積極的なところもLCとは異なる。

 レクサスLCも文句なしの高速車ではある。しかも、今シーズンのスーパーGTに、レクサスはLC名義でGT500クラスに参戦もする。ただ、実際のGT500マシンが市販車と似ているのは外装デザイン(の雰囲気)と車名だけで、中身はまるで別物。また、GT-RやNSXには市販車改造クラス用モデル(GT3)も存在するが、レクサスでその役割を担うのは、ひとまわり小さいRC Fである。

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