【新車のツボ131】日産ノートe-POWERガソリンで走る電気自動車 (2ページ目)

  • 佐野弘宗●文・撮影 text&photo by Sano Hiromune

 ただ、ハイブリッド車とは、一般的にエンジンとモーターを融合した動力システムをもつクルマすべてを指す。ハイブリッド車という発想自体は意外に古く、エンジン主体で走ってモーターは補助するだけのタイプ(=パラレル式)と、エンジンは電力供給に専念してモーターで走るタイプ(=シリーズ式)......という2種類の概念も昔から存在していた。

 しかし、世界初の量産ハイブリッド車として発売されたトヨタ・プリウスはそのどちらでもなく、エンジンのみ/モーターのみ/エンジン+モーター......という3つの駆動方式を自在に使い分ける"第3のハイブリッド"だった。以降、このトヨタ方式が世界のハイブリッド車の主流となってしまった。

 対して、このノートe-POWERは純粋な"シリーズ式ハイブリッド"である。その原理のアイデア自体が新しくないのは前記のとおりだが、シリーズ式ハイブリッドが本格的に商品化されるのは今回が史上初なのだ。

 電気自動車は、エコうんぬん以前に、ひとつの乗り物としてすごく気持ちいい。

 モーターは停止状態から通電すれば回り出して、逆の場合もそのまま停止する。よって、エンジン車や他のハイブリッド車に不可欠なクラッチなどの断続装置が存在しない。しかも、モーターは回り出した1回転目から1分あたり1万回転(=1000rpm)rpm以上という高回転まで、ほぼ全域でフルに近いトルクを出せるので、実用乗用車レベルの性能でよいなら、変速機もいらない。

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