【新車のツボ130】BMW 118dビーエムの末っ子は絶滅危惧種

  • 佐野弘宗●文・撮影 text&photo by Sano Hiromune

 この"1"シリーズ"は、もっとも手頃なサイズと価格のBMWだ。一般的にCセグメントと呼ばれるクラスに相当するBMWで、輸入車ではフォルクスワーゲン・ゴルフ(第64回参照)、国産車だとトヨタ・プリウス(第116回参照)やマツダ・アクセラ(第86回参照)と同クラス。つまり、日本でも老若男女にオススメできる、比較的コンパクトなプチ贅沢ハッチバック実用車である。

 このクラスはエンジンを横置きする前輪駆動が定番にしてお約束。そうやってエンジンルームをできるだけ短く、メカをフロント部に集中させて、比較的コンパクトなボディのなかに室内容積を最大限に確保するわけだ。

 ただ、この1シリーズを見てCセグメントとしてはちょっと異質で奇妙なカタチ......と感じたあなたは、するどい。

 その奇妙さの源泉は、ビミョーに長いハナ先にある。1シリーズはこのクラスでは世にもめずらしい後輪駆動車で、基本骨格は兄貴分の3シリーズ(第37回参照)を前後に短く切り詰めて、さらにお尻(トランク)を切り飛ばして......という成り立ちとなっている。

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著者プロフィール

  • 佐野弘宗

    佐野弘宗 (さの・ひろむね)

    1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/

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